変形性関節症(OA)について
2025/12/16
こんにちは!
愛玩動物看護師の菅野(かんの)です。
今日は「変形性関節症(OA)」について。
変形性関節(OA)とは?
骨と骨の間でクッションの役割をしている軟骨に過度の負担がかかることで、次第に関節が変形し、慢性的な痛みや動作に困難が生じる関節疾患の1つ。
様々な要因が関与しており、
一次性(猫で多い!)
・加齢による関節軟骨の劣化
・肥満や激しい運動などによる関節への大きな負担
二次性(犬で多い!)
・外傷(骨折や靭帯断裂など)
・遺伝
・関節不安定症
・繰り返しの亜脱臼や脱臼
があります。
犬のOAの好発部位は
・股関節
・肘関節
・膝関節
猫のOAの好発部位は
・手根関節
・肘関節
・膝関節
といわれています。
変形性関節症(OA)は、慢性疼痛の中でも最も患者数の多い疾患の1つです。
犬で40%近く(治療されている犬は32%)
1歳以上の猫で74%、12歳超の猫になると90%(治療されている猫は約2%)
がOAに羅患しているという報告があります。
飼い主さんがOAに気付くのは難しいと言われています。
その理由としては、
・高齢になったから活動量が減ったと思ってしまう
・もともとの性格から、あまり動かないと思ってしまう
などがあります。
症状が悪化し歩行が困難になる前に、早期に気付いてあげることがとても大切です!
痛みの特徴をまとめました。
ここ1週間でおうちの子の行動であてはまるものはありますか?
ひとつでもあてはまる場合は、OAの痛みを抱えている可能性があります。
犬
□運動後に足を引きずる
□散歩でノロノロ歩く
□ゆっくり立ち上がる
□ジャンプが苦手
□動作がぎこちない
□階段が苦手
猫
□階段をのぼるとき 「うさぎ跳び」のように後ろ足で同時に跳ねてのぼる。途中で休憩してしまう。
□階段をおりるとき 体を横向きにして一段ずつおりる。
□動くものを追いかけるとき 途中でゆっくりになったり休憩することが多くなる
□ジャンプするとき 飛び乗る前にためらう。1回のジャンプで届かず、前足をつけてから後ろ足を引き上げる。
□飛びおりるとき 飛びおりる前にためらう。大きくジャンプしない。跳びおりるのではなく地面に前足を伸ばしておりる。
□走るとき 全体的に動きが遅く、歩きと早歩きを交互にする。
OAの痛みはとても強く、身体だけでなく心にも悪影響を及ぼします。
犬の場合、最近の研究で痛みの管理をすることで感情的・身体的な幸福感は著しく改善することが確認されています。
猫ちゃんの気性が荒くなったり、身体を触ると嫌がるなどの様子が見られる場合は痛みが隠れているかもしれません。
みなさん、フレイル、サルコペニアって聞いたことありますか?
人間では提唱されていますが、最近ではペットでもあるのではないかと言われています。
フレイル→老化に伴い抵抗力が弱まり心身の機能が低下し、健康と要介護の中間にある状態
ペットフレイルの中心的な原因は、加齢に伴う筋力の低下や老化に伴う筋量の減少が引き起こす「サルコペニア」
と言われています。
関節疾患は運動量の低下からサルコペニアを引き起こす要因となる可能性があります。
人間ではフレイルに対して適切な介入・支援をすることにより、健康寿命の延伸を期待できることが明らかとなってきています。
ペットも同様と考えると、予防、早期の診断と治療で健康寿命を延伸することができると思います!
私たち人間より寿命が短いペットたち…必ずお別れの時はやってきますが、生きているうちはできるだけ健康で寿命を全うしてほしいですよね。
実はうちの猫ちゃん(のび、推定19歳)は変形性関節症です。
なんか歩き方変だな~と思っていたら、ジャンプのためらいも多くあり、階段も1段ずつ慎重におりるように…
数年前に変形性関節症の注射を打ったところ、すっかりよくなりました。
注射を続けたかったのですが、持病の慢性腎臓病を考えて、ここ最近は関節のサプリメントを毎日飲んでいます。
うちの子、変形性関節症かも?と思った方!
気軽にご相談ください。
その子に合わせた治療法や悪化させない方法を提案させていただきます。
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みたかマロン動物病院
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